アジアの公共交通

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中国で切符を紛失したら

今回は、自らの体験談に基づき、中国で切符を紛失した際の対応についてお話ししたいと思います。中国では、切符を紛失した場合でも最終的には二度の出費の必要がありません。

※当記事は、中国鉄道時刻研究会様 著『中国鉄道時刻表』の内容を一部参考にしています。紛失時は本当に助かりました。ありがとうございます。

1.早めに駅へ

切符の紛失に気づいたら、早めに駅へ行き、切符売り場の窓口に向かいます。私は南昌駅で予約した翌日乗車予定の列車の切符を受け取った直後に紛失してしまいまい、ホテルに到着後それに気づきました。

規則上は、乗車予定の列車の発車20分前までに行けばいいようです。

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中国の駅の窓口は何種類かありますが、「售票」(切符購入)に並べば問題ないと思われます。(写真:南昌駅の切符売り場)

2.事情を説明し、一旦再度切符購入

自分の順番になったら、駅員さんに身分証明書(旅券)を提示し、切符を紛失した旨と名前・乗車日・列車番号・乗車区間などの情報を説明します。ちなみに私は紙に「我失票」と書いて情報を伝えようとしましたが通じず、結局Google翻訳(金盾を越えられる香港SIMを利用)して意図を伝えました。幸い、駅員さんも親切な方で、翻訳アプリを使って会話してくれました。

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意図が通じ、情報が正しいことが確認されたら、一旦再度切符を購入します。この際、切符には紛失再発行の旨と、「乗車後客運記録を発行してもらって下車駅で払い戻すように」と書かれたスタンプが押されます。また切符の裏には、切符を紛失した際の流れが書かれた付箋状の紙(勿論中国語)を貼ってもらいました。

3.列車長弁公室へ

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※写真は切符を紛失した際に乗った列車のものではありません

再発行した切符にて通常通り列車に乗車したら、「列車長弁公室」へ向かいます。列車長弁公室はいわゆる車掌室ですが、カウンター状になっており、常時切符の種類・区間の変更や案内を受け付けています。客車列車だと、硬座車の客室内に設置されています。

列車長弁公室では再発行した切符を提示します。この際、規則上は切符にもスタンプで記された「客運記録」と呼ばれる列車から駅への引き継ぎ書を書いてもらい、それを携えて下車駅で切符の払い戻しをしてもらう訳ですが、切符の紛失については、乗務員さんが端末(スマートフォン)で下車駅に連絡するだけでした。

4.払い戻し

下車駅に到着したら、駅を出て窓口へ向かいます。今度は「退票」(払い戻し)窓口に並ぶと確実と思われますが、株洲駅では何故か一度並びなおしさせられましたので、場合によっては駅員さんの指示に従ってください。

窓口では切符と身分証明書を差し出せば、すぐに払い戻し・返金となります。これにて一件落着です。

5.最後に

もし切符を紛失してしまった場合でも、中国の切符は購入時に身分証明書の番号を登録するために、最終的には負担ゼロで済むシステムになっています。

必要なのは、中国旅行全体に言えることですが、筆談等を駆使して求められる情報を伝えることと、踏むべきステップを踏むことです。

 

※この記事は2019年3月の体験談をもとにしています。規則・制度に変更が生じている可能性がありますので旅行時は最新の情報をご確認ください。